職業紹介事業のトラブルQ&A
法律違反の罰則について
職業紹介事業者が法律違反を行った場合、どんな罰則がありますか?
許可の取り消しまたは事業停止命令を受けることがあります。
- 欠格事由に該当するとき
- 職業安定法や労働基準法に違反したとき
- 許可基準に違反したとき
その他、改善命令、指導・助言、違法に職業紹介事業や
手数料の徴収をしたとき等の場合には、刑罰を科せられることがあります。
採用時の面接で聞いてはいけないこと
有料職業紹介業を営もうと思っていますが、本人のことだけでなく、
親や兄弟の職業などを聞いたり、実家がどこにあるのかなどを聞いていいものでしょうか?
紹介先の会社が聞く場合もあります。どうしたらいいでしょうか?
厚生労働省から採用面接時に、以下のことを聞いてはいけないという指針が出ています。
リスクを少なくするために確認しましょう。主な内容は以下の通りです。
- 本人に責任のない事項
- 本籍・出生地に関すること
- 家族に関すること(職業、続柄、健康、地位、学歴、収入、資産など)
- 住宅状況に関すること(間取り、部屋数、住宅の種類、近隣の施設など)
- 生活環境・家庭環境に関すること
- 本来自由であるべき事項
- 宗教に関すること
- 支持政党に関すること
- 人生観・生活信条に関すること
- 尊敬する人物に関すること
- 思想に関すること
- 労働組合・学生運動など社会運動に関すること
- 購読新聞・雑誌・愛読書などに関すること
さらに、職業安定法(法に基づく指針)では、募集を行う際、
原則として収集してはならない個人情報が以下のように規定されています。
(職業安定法違反の場合は罰則として6ヶ月以下の懲役又は30万円以下の罰金)
- 人種、民族、社会的身分、門地、本籍、出生地その他社会的差別の原因となるおそれのある事項(家族の職業、収入、本人の資産等など)
- 思想及び信条(人生観、生活信条、支持政党、購読新聞、雑誌、愛読書)
- 労働組合への加入状況
(労働運動、学生運動、消費者運動その他社会運動に関する情報)
有料職業紹介の場合、求職者とのトラブルは企業利益を損なうことになります。
経営理念や地域性などを大切にしながらも、それに最適な対応をすることは、
とても重要なことです。
求職者や労働者が、納得いかない場合、
労働基準局やハローワーク等に労働問題の相談に行き、
そのことで発生する企業リスクは非常に大きいものです。
労働法の基本は、労働者の保護を前提としているため、
事業主にとっては、逆に納得いかないような結果に終わることも少なくありません。
事業主にとって少しでもリスクを少なくするために聞いてはいけないこと知っておきましょう。
派遣会社と登録スタッフのよくあるトラブル
派遣会社は、登録スタッフとのトラブルが多いと聞いています。
どのようなトラブルが多く、対処のしかたをどうしていけばいいのか
教えていただけないでしょうか?
また、予防措置があればとっておきたいと考えております。
派遣会社を経営するのは初めてなので、トラブルを最小限におさえ、
なるべくロスのない経営をしていきたいと思っております。
トラブルは非常に多いです。
- 派遣先での労働条件が派遣元での話と違う
- 賃金が実際と違う
- 望んでいる職種仕事になかなか就けない
- 派遣先でイジメやセクハラにあった
- 残業は出来ないといっているのにやらされた
- 突然、明日から来なくて良いといわれた
- 残業代の支給がされていない
- 長期希望なのに短期の仕事ばかり入ってくる
- まだ、期限がきてないのに他の会社に行かされた
- 派遣なのに責任の重い業務を任されそうになった
- 仕事は同じなのに他の派遣の人達と時給が違う
- 昼の休憩時間をちゃんと取らせてくれない
- 通勤途中に事故に遭ったが、労災適用が出来ないといわれた
派遣元会社、派遣先会社、派遣スタッフの三者間の感情・価値観がそれぞれにあるので、
派遣元会社は、派遣先会社と派遣スタッフの板ばさみに合う事も、しばしば起こります。
派遣スタッフは、対人関係調整能力や忍耐力が求められます。
また、自社内の労務・人事管理が会社堅実に行なわれている会社は、
派遣スタッフのクレームも少ないと思われます。
それは、社員の勤務も派遣スタッフの就業も同様に考えているからです。
- 事前の情報確認を密に行なう(対顧客・スタッフ)
- 就業条件等の整備を怠らない
- 運営フローを一定のルーチン・システムに乗せリスク回避を図る(ISO的対応)
- ケアを怠らない(対顧客・スタッフ)
- スタッフの愛社精神を高める
- 社員のモチベーションを高める
クレーム・トラブル解決という点で、非常に大切になってくるのが、就業規則です。
事前に周知させた就業規則にそった対応なら、労働者も納得するでしょう
(もちろん、労働基準法に反しない就業規則が必要です)。
就業規則は、労働者のことも、会社のことも守ってくれる、大切な決まり事です。
そして、派遣先会社へ、責任と義務についてきちんと事前説明しておくことも
忘れてはいけません。
高速道路建設事業に派遣したいが、良い方法はないか?
高速道路建設へ労働者を派遣しようと思いますが、派遣は大丈夫でしょうか?
業務請負業を検討してください
建築・港湾事業への派遣は、認められていません。
建設現場内での一定の作業を請け負う方法が検討できます。
派遣との違いは、労働者への指揮命令関係の違いです。
あくまでも自社が請け負った作業遂行のために労働者を雇い入れるわけですので、
他からの指揮命令を受けない事になります。
しかし、契約上は請負業務であっても、これが守られず、
労働者が他から指揮命令を受けて働く場合は、
労働者供給事業と見なされ違法行為となりますので注意が必要となります。
また、対象事業によって、加入しなければならない保険の料率等にも
かなり差がありますので 事業化の前には事前のチェックが必要となります。
派遣業と業務請負業では経営体制のあり方も全く違ってきます。
法令は守りながら、労働者保護をしながら、業績を伸ばしていく、
たやすいことではありませんが、これを目指していきましょう。
長倉社会保険労務士事務所